

都庁の仕事
(各局紹介)
下水道の基本的な役割をあげると、(1)家庭や事業所で使われた水を集めて処理し快適な生活環境を確保する、(2)雨水を速やかに排除して浸水から街を守る、(3)きれいになった処理水を放流して川や海の水質を保全する、の3つになります。また、新たな役割として、下水道が持つ資源・エネルギーを有効活用することによる地球環境保全への貢献や、下水道施設の多目的利用を図ることによる良好な都市環境の創出があります。
水再生センター中央監視室風景
<計画的な下水道施設の再構築>
東京の下水道は、明治17年に神田下水を建設してから約130年の歴史を積み重ねた結果、約1万6千kmにも及ぶ下水道管など膨大な施設を有しています。これら施設を将来にわたって安定的に機能させるため、さまざまな調査技術や施工技術を開発するとともに、アセットマネジメント手法により計画的に再構築を進めています。
更生工法による下水道幹線の再構築
(道路を掘らずに下水道管の内側からの施工技術)
<浸水対策や震災対策の推進>
近年の集中豪雨の頻発や台風の大型化などに対応するため、地下街や浸水の危険性が高い地域などを重点化し、大規模な下水道管の整備など浸水対策を進めています。また、首都直下地震などが発生した場合においても下水道機能を確保するため、避難所など震災時に人が集まる施設からの排水を受ける下水道管を優先して、マンホールとの接続部を可とう性のある構造に改良する対策や、交通機能等を確保するため、マンホールの浮き上がりを抑制する対策を推進するなど、下水道管の震災対策を実施し、東京の安全性の向上を図っています。東日本大震災や熊本地震などでは、都の豊富な経験と技術力を有する人材を支援隊として数多く派遣するなど、引き続き被災地の復旧・復興のために最大限の協力を行っています。
下水道管の耐震化
<良好な水環境の創出>
東京湾などの水質改善のために、下水から有機物と同時にちっ素やりんなどの富栄養化物質も除去する高度処理を推進しています。また、雨天時の対策として、降雨初期の特に汚れた下水を貯留する施設の整備を進めています。
良好な水環境の多摩川で楽しむ人々
<地球温暖化対策や循環型社会の形成>
下水道事業は、下水をきれいにする過程で多くの温室効果ガスを排出しており、その量は都の事務事業活動の中でも最大です。積極的に温室効果ガスの削減を図るため、事業全体の省エネルギー化や太陽光発電、バイオマスなどの未利用・再生可能エネルギーの活用を進めています。また、下水処理水をさらに高度に処理してトイレの洗浄水として供給する再生水事業を実施することなどにより、循環型社会の形成に貢献しています。
【太陽光発電設備の導入事例】
水処理施設の蓋に太陽光パネルを設置
CONTENTS
令和7年3月時点
私は生まれも育ちも東京で、隅田川の近くで過ごしてきました。幼い頃から、隅田川はきれいな川として親しんでいましたが、両親から「昔は汚れていた」という話を聞き、その水質改善が下水道技術によるものだと知ったことで環境分野に興味を持つようになりました。そして、学生のときに「世界に誇るクリーンな都市環境を創出する」という目標を東京都が掲げていることを知りました。人々がいきいきと暮らすことのできる環境を未来まで伝えていきたいと思い、また、幅広い業務に携われることに魅力を感じ、東京都を志望しました。
私が所属している下水道局施設管理部施設管理課では、東京23区にある合計100近くにも及ぶ水再生センターやポンプ所、汚泥処理施設の統括的な管理を担っています。豪雨や地震などの災害が起きた際、施設被害などの情報収集を迅速に行い、関係各所と調整・協力しながら、下水道施設の安定した運営を確実に行うことが私たちの主な仕事です。小さなトラブルも日々ありますが、皆が一丸となって対応に当たることで、都民の方々の安全を守り、安心で快適な生活を支えています。また、生成AI等を活用した業務改善や、維持管理に必要なシステムの点検・改善及び次期システム検討も行っており、効率的で働きやすい職場環境の構築を常日頃から目指しています。
私は学生時代に電気工学を学んでいました。それらの知識は、水再生センターの電気設備トラブル時に結線図を見ながら状況を把握できる、受変電設備再構築工事の設計時には必要な容量を算出できるなど、業務に大いに活きました。また、学生時代はMicrosoft Office製品をよく活用していましたが、業務における資料作成時には必ず使用するため、効率的な業務を遂行するのにかなり役に立っています。
東京都の魅力はなんといっても多種多様な仕事に携われることです。私自身、様々な部署を経験してきました。表には見えない足許の業務から、大規模事業・イベントに携わったり、職種関係なく皆で取り組んだりと、どの部署も魅力的でやりがいを感じずにはいられませんでした。また、それらの経験はすべて積み重なり、現在の業務に大いに活きています。都民の方々も職員もWin-Winとなる未来の東京都を見据え、より良い業務・事業のあり方を目指していくため日々の研鑽・挑戦を怠らないよう努力していきます。
出勤
10分間チームミーティング後、メールチェック及び1日のTo Doリスト確認・作成
効率的な業務・維持管理のあり方について関係部署と打合せ
生成AIなどを活用し、業務改善ツールを作成
昼食・軽い運動
上司に進めている事業の資料を説明
業者とシステム保守に関する打合せ
To Doリストを再確認し、翌日以降にやることを整理
退勤
呑み会もしくはジム、時には残業