

都庁の仕事
(各局紹介)
東京都は、1つの地方自治体としてだけでなく、日本の首都として世界からも注目されている大都市です。東京都の財政規模は、一般会計で8兆4,530億円(令和6年度当初予算額)となっており、歳入の約8割(6兆3,865億円)を都税が占めています。主税局の役割は、この都税を適正かつ公平に課税・徴収することにあります。
○主税局の仕事の特徴
主税局の仕事の主な特徴は、次の3点です。
1点目は、「歳入所管局としての責務を担う」ことです。多様な都民ニーズに応え、都民が安心して暮らせる行政サービスを提供するためには、安定した都税収入の確保が不可欠です。主税局職員一同、この責務を果たすべく、常に高い意識を持ち、日々の業務に取り組んでいます。
2点目は、「職務の専門性が高い」ことです。主税局には、大きく分けて、課税と徴収という業務があります。その内容は、法律や条例などで詳細に規定されており、これらの法令に従い、適正に執行することが、都民から信頼される公正な税務行政につながります。経験豊かな先輩職員の指導や実務研修などにより、専門的な知識を習得することができ、非常にやりがいのある仕事です。
3点目は、「都民と直に接する機会が多い」ことです。窓口対応、現地調査、納税交渉などの業務を行うなかで、直接意見や要望をいただくため、都民の行政ニーズを肌で感じることができます。また、未来の納税者となる子供たちに税について理解してもらい、社会の構成員としての自覚を育てることを目的として租税教室を実施しています。
租税教室の様子(中学校)
主税局では、納税者へのQOSの向上のために、キャッシュレス納税の推進に取り組んでいます。スマートフォン決済アプリの導入など納税手段の多様化に加え、タレントを起用したイベントなどさまざまなPR活動を行っています。また、インターネットを利用した電子申告・電子申請の普及にも力を入れ、納税者の視点に立ったサービスの向上に取り組んでいます。
主税局では、歳入所管局としての責務を果たすため、他自治体に先駆けてさまざまな取組を行い、徴収率の向上に努めています。未納となっている都税を確保するため、ショートメッセージサービス(SMS)による催告、差し押さえた車の運行を停止するタイヤロック、インターネットオークションを活用した差押財産の売却など、積極的な取組を行ってきました。
また、都内区市町村に職員を派遣し、ノウハウを共有するなど、連携した徴収対策と区市町村支援を積極的に推進しています。
東京都では、真の地方自治を実現するため、地方財源をより充実させるとともに、時代の変化に対応した税財政制度を確立するという観点から、知事の懇談会である東京都税制調査会を活用し、これからの国・地方を通じた税制全体のあり方について積極的に発信しています。現在、税に対する都民の関心は非常に高まっています。主税局は、都民の理解を深め、より一層の信頼を得られるよう、きめ細やかな納税者対応に努めていきます。また、新たな課題に柔軟に対応するため、今後も先駆的な取組を積極的に展開していきます。
CONTENTS
令和5年3月時点
昔から漠然と人のためになる仕事に就きたいとの思いがあり、大学時代は社会福祉について理論から臨床に至るまでを学びました。そこで、どのような分野の課題も社会全体の協働が欠かせないことを実感し、行政と住民・各組織の繋ぎ手である公務員という仕事に関心を持ちました。中でも東京都にはハード面からソフト面まで多様なフィールドがあり、社会貢献に限らず自分自身の成長の幅も広がるのでは、との期待感を胸に東京都を志しました。
歳入所管局である主税局では、都税を適正かつ公平に課税・徴収する業務を担っています。中でも現在私が所属する税制部歳入課は、都税収入について、正確に予算・決算を調製することがメインの仕事です。税金に関わる業務というと一見地味に聞こえるかもしれませんが、都税収入は東京都の歳入の約7割を占める重要な財源です。これを正確に見積り、適切な財政運営に繋げることが私たち歳入課の役割です。毎月の実績に基づき増減要因の分析を行い税収の見通しを立てることはもちろんですが、税収は税制改正や経済動向などに大きく影響を受けるため、常に最新の社会経済状況をキャッチアップすることが必要です。新聞・雑誌やインターネットなどを活用し、経済情勢や制度の変遷にアンテナを張り、より精度の高い税収見積りの策定に努めています。
「都税収入見える化ダッシュボード」の開発業務です。コロナ禍で都税収入の動向に関心が集まる中、「PowerBI」ツールを活用し、一見して分かりにくい税収の動きを「見える化」しました。0ベースからの業務は初めてかつパソコンも決して得意ではなかったため、初めて使用するソフトを使いこなすのにも一苦労でしたが、周囲のサポートを受け何とか形にすることができました。仕事は個人で完結せず、チームの協力があって成立するものだと実感しました。加えて、新しい分野に挑戦する楽しさを感じることができた経験でもありました。また、この取組で表彰を受け、知事から直接、トロフィーを授与されたことも印象に残っています。
多様なフィールドに挑戦できることが最大の魅力だと思います。私は主税局内で二度の異動を経験しましたが、同じ税金を扱う部署といっても業務内容は全く異なるものでした。他局に異動された先輩方からは、全く新しい仕事のため、常にフレッシュな気持ちで働けている、とのお話を伺うほど、多種多様で幅広い仕事があります。様々な業務に関わる機会が多くあることで、自身の可能性を広げられる職場であると思います。私も今後は全く違う分野の仕事に携わり、職場への貢献とともに自身のスキルアップを目指していきたいと思います。
出勤
新聞などをチェックし、経済情勢等について情報収集
情報収集した内容について、担当内で意見交換・分析
総務省と最新の税収動向についてのヒアリング(オンライン)
昼食
午前中のヒアリング内容について、レポートを作成
課内会議でヒアリング内容、税収の動向などについて報告
他自治体からの照会に対し、回答
退勤