これからの東京に、
ふさわしい
体育館をつくる。

建築分野
財務局/東京体育館改修工事

竣工から21年、
初めての大規模改修工事。

平成25年度に開催された「スポーツ祭東京2013」の会場となった東京体育館。ユニバーサルデザインへの対応や省エネルギー、環境対策への対応などが必要とされた中、初めての大規模改修工事が実施された。工事を担当してたのは東京都財務局。現在財務局では、東京国際フォーラムや東京国際展示場など、ほかにも数多くの改修工事を手掛けている。東京体育館改修の総工事費は約45億円で、2013年4月にリニューアルオープンした。観客席の椅子や更衣室、コートなどの内部改修、屋根や舗石舗装などの外部補修と全面的にリニューアルされ、スポーツをする人をはじめ多くの利用者がより快適に施設を利用できるようなった。

多くの人が働く、大規模な現場。

東京体育館の改修において、3つの改修方針が掲げられていた。1つは経年による材料や照明などの機器を改修する「機能劣化の回復」、2つ目は車椅子用スペースの増設やトイレなどユニバーサルデザインに対応する「利用者視点の反映」、3つ目は省エネルギーや環境に配慮した改修を行う「環境対策」である。全体の敷地面積が45,800㎡と大規模な施設の改修工事であり、現場で働く職人の数も約230人と多くなった。大掛かりな工事になることも多く、例えば高さ29mのメインアリーナの天井の照明器具を交換する作業は、27mの巨大な足場をつくって行われた。2013年のリニューアルオープンに合わせて工事を終え、無事に「スポーツ祭東京2013」を開催するために、安全・安心に工事を進めることが何より重要であった。

品質、安全、スケジュールを管理する。

2012年の7月から施設を全館休館として改修が進められていた。実際の施工は民間企業が行っており、建築・電気設備・空調設備・衛生設備など、分野ごとに各企業が担当した。財務局職員の主な仕事は、現場の進捗管理をすること。週1回の定例会議への参加や、品質・安全面のチェックなどを行う。工事の着工前に作業スケジュールを組むことも技術職員の仕事の1つだが、実際に工事が始まると機器の不具合や壁の劣化などが見つかる事も多い。予期せぬ事態の対応方法などを定例会議で決定しながら工事を進めていった。
財務局の技術職員は、東京体育館だけでなく所管している学校や病院、文化施設などの設計・建設・改修や、工事に必要な基準の作成や改定などの業務を行っている。

※掲載内容につきましては、2014年6月時点のものです。